【10月】八甲田山:酸ヶ湯温泉から登る -硫黄地獄と湿原天国-【東北紅葉ツアー2020③】
ある意味ツアー最大の山場!?
前回の栗駒山からの続きです。
酸ヶ湯温泉から仙人岱を経由して、大岳に登り、毛無岱から酸ヶ湯温泉に戻るルートを歩きました。
山頂付近はガスと強風であまり良いものでは無かったですが、硫黄香る登山道から草紅葉の湿原と変化に富む良い山でした。
前回の記事を読んだ方は「あれ、鳥海山じゃないの?」とお思いになるかと思います。
前日の宿での欲張り大食いセットと不穏な天気予報から一夜、朝5時に起床。
ライブカメラを確認すると…
https://haraikawa.pixif.jp/area1/1/20201010050000.html
(アカン)
予報通り天気悪いやんけぇ…
そう、この時台風14号という訳のわからん軌道を描いた台風が日本に近づいており、全国で荒天予報が出ていたのである。
https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/typhoon/route_map/bstv2020.html
どうすればいいんだ…どうすれば…
実は、前夜にサッカー日本代表の試合を見ながら寝落ちしそうな頭をフル回転させて八甲田強行プランというプランBを検討していました。
このプラン最大の懸念点は何と言っても移動時間。
現在地の秋田県由利本荘市から八甲田山登山口の酸ヶ湯温泉まで3時間半。
日帰り登山での移動時間約8時間…これをやるか?…
1時間程、作戦会議という名のグダグダタイムの後、覚悟を決めました。
(我々の辞書にキャンセル料を払う撤退という文字はない)
という訳で長い長い前置きの終わりです。
読者の方々はこういう時はきっと優雅に近場で過ごすのでしょうね。決して我々のような馬鹿な行為をしてはいけません。(疲れた…)
今回もダイジェストとして動画にまとめているので、登山道の雰囲気などは以下からご覧になってください。
今回のルートと行動ログ
八甲田山(大岳) / adderさんの八甲田山の活動データ | YAMAP / ヤマップ
八甲田山という名前は八ヶ岳と同じく、1つの山の名称ではなく、18の山々からなる複数火山の総称となっています。
基本的に八甲田山に登るというと、主峰である大岳に登るということを指します。
その大岳への登山ルートとしては、酸ヶ湯温泉もしくは八甲田ロープウェーから登るのがメジャーだと思います。
秋の八甲田山で外せないのが紅葉の毛無岱。大岳に登り、毛無岱を経由するルートとしては酸ヶ湯温泉を起点に周回するルートが一番だと思います。
酸ヶ湯温泉には100台ほど停められる公共駐車場がありますが、紅葉の季節は満車になりやすいので注意です。
今回我々は毛無岱の紅葉を見たかったので、定番の酸ヶ湯温泉周回ルートを歩きました。
酸ヶ湯温泉からの周回ルートのコースは以下のようなパートに分けられます。
・酸ヶ湯温泉~地獄湯の沢:樹林帯。最初は緩いが、徐々に急になっていく。
・地獄湯の沢~仙人岱:軽い岩場登り。つづら折ではなく、ほぼ直登。(結構つらい)
硫黄の匂いが一番強い。
・仙人岱~大岳山頂:湿原の木道を抜け、樹林帯→火山特有の砂地(階段が整備)。
山頂直下なのでこの登りが一番つらい。
・大岳山頂~大岳避難小屋:火山特有の砂地(階段が整備)を下る。
・大岳避難小屋~宮様分岐:樹林帯。傾斜は割とある。
・宮様分岐~下毛無岱:湿原の平坦な木道歩き。上毛無岱→下毛無岱の階段が結構急。
全体的に整備が行き届いており、危険箇所も無いです。
この山でも注意すべきは活火山であることと熊ですね。
(これは東北紅葉ツアーで登った山全てで言えること。というか東北の山って活火山率高くないか…?)
酸ヶ湯温泉からスタート
AM10:22 酸ヶ湯温泉
鳥居をくぐり抜けて登山開始です。この時はまだ太陽も出ていました。
この辺りも結構紅葉しています。
今回の東北紅葉ツアーの3座の中でも看板が特に多く感じました。無雪期に道迷いはしにくいと思います。
紅葉が進んでいる気持ちの良い登山道を進む。
火山ガスの影響で植物が枯れているらしい。こういうのを見るとやっぱり活火山であることを実感します。
登山道に水が流れて沢のようになっていて、これまた良い。気持ち良い道です。
ちょっと木が開けて場所から西側の横岳を望む。
山頂付近に湿原もあり、楽しそうですが、登山道は無いらしい…残念。
正直、前日の栗駒山で紅葉は死ぬほど見ましたが、やはり何回見ても良いものです。
AM11:05 (+0:43) 地獄湯の沢
地獄湯の沢に出ました。硫化ガスが噴出しているので、硫黄の匂いが強い。
地獄湯の沢の登りはちょっとした岩場になっています。
つづら折じゃないので、この登りが地味にきつい。
地獄湯の沢を抜けると再び樹林帯に。
AM11:38 (+1:16) 仙人岱
と思いきや、すぐに湿原に出ました。仙人岱です。
分岐を少し歩いて仙人岱避難小屋で休憩を取ろうと思ったら、開けられず…
何かコツが要るんですかね?誰か教えてください。
気を取り直して登山道に戻ります。
仙人岱には水場がありました。木枠で水を貯めているので、パイプから出た水を飲んでくださいとのこと。
ここで軽食休憩。ガスと強風で結構寒かったので、すぐに出発。
小岳への分岐。藪が凄い。恐らく熊の遭遇率も凄いのでしょう。多分。
ガスガスガス。青森まで来てこの仕打である。残念ながら天気の子は居なかったみたい。
池塘に少し癒やされる。天気が良ければなお良かったのにな…
仙人岱を抜け、笹道を進みます。
そこから更に樹林帯に。
アオモリトドマツという種があるそうな。全くわからんかった…
樹林帯を抜けて、火山っぽくなってきました。
強風で時折ガスが抜けますが、基本は真っ白。
ナナカマドがきれいです。(現実逃避)
若干雨粒も混じって本格的に寒くなってきました。
PM12:16 (+1:54) 八甲田大岳山頂
爆風とガスの中、何とか登頂です。
一瞬ガスも抜けますが、寒すぎるので大岳避難小屋方面へ即下山。
奥に見えるのは岩木山ですね。面白い形してます。
大岳避難小屋が見えたと同時にガスの中からカールのような地形が見えました。
井戸岳の側面だと思いますが、面白い形をしていますね。
PM12:47 (+2:27) 大岳避難小屋
大岳避難小屋に到着。非常に立派で中もきれいでした。
中で休憩しようと思ったら沢山の人が既に休憩していたので断念。
外で昼食休憩です。
ただ、外にもベンチが沢山あり、非常に快適でした。素晴らしい。
ご飯を食べてゆっくりしていたら、ガスが晴れてきました!
井戸岳と大岳が山頂までくっきり。
この好機を無駄にするわけにはいかないので、足早に出発。
大岳避難小屋からはまたしばらく樹林帯です。
ちょっと道も平坦になり、視界も開けてきました。
道も木道に。
毛無岱に到着です。
後ろを振り返れば左に井戸岳、右に大岳が見えます。
草紅葉も素晴らしいですね。
池塘も結構あります。これは丸沼という名前がつけられていました。
PM13:38 (+3:16) 上毛無岱展望所
秋の八甲田山といえばこの景色。
眼前に下毛無岱が広がります。紅葉も結構見頃できれい。
惜しむらくは曇りであることか。これはリベンジ案件。
紅葉と岩木山。岩木山はリフトから登っていますが、1回ぐらいは下の登山道からも登ってみたいですね。
下毛無岱の景色はどこも良いので、登山者の皆さんも思い思いに立ち止まって撮影していました。
そしていよいよ毛無岱も終わり、樹林帯ゾーンへ。
まあ正直あまり楽しくはないですね。ちょっと飽きてきました。
紅葉がきれいなのはぶれませんが。
PM14:10 (+3:48) 城ヶ倉分岐
城ヶ倉分岐までくれば後少し。
やっと酸ヶ湯温泉が見えました。
そんなこんなでPM14:30 (+4:08)に下山しました。
毛無岱で結構ゆっくりしていたのですが、思ったよりも早く下山できました。
下山後
酸ヶ湯温泉でゆっくり♨
なんてしている暇はなく、山形県鶴岡市まで4時間半という地獄の運転が待っていました。
正直何でこんなことをしているのだろうと内心思っていましたが、何だかんだ楽しかったので結果おーらい。
宿は今回「湯野浜温泉 温泉民宿 しらはま屋」にしたのですが、この宿の飯も凄かった。
今回はGoToクーポンで通常時よりも安かったですが、通常時でも9000円とかでこのボリュームです。この辺りの物価おかしくないか?
しかも1人に1杯カニが付くのも初めて見た…どういう経営で成り立ってるんだ、これ…
しかもちゃんとうまい。うーむ、すごい。
そんな訳でこの日も大満足のお宿でした。
実は次の日も月山とかどうかなと思っていたのですが、結局台風14号とかいう訳わからんやつの影響で登れず。
別記事にするほどでもないので、写真貼っときます。
加茂水族館でお気に入りのベニクラゲちゃん!かわいい。
クラゲの巨大水槽。一見の価値あり。
クラゲソフト。クラゲは味がしないので、食感のみ。ソフトクリームはうまいです。
「中華そば 琴の」。超有名店 琴平荘で修行した店主の店。うまい。
羽黒山神社の売店のソフトクリーム。こういう立地の場所には珍しく、スジャータじゃない。結構うまい。
天候以外は大満足の東北紅葉ツアーにお腹いっぱいで帰路につきました。
次回は好天時にリベンジを誓う筆者なのであった。
山行を振り返って
大岳は残念ながらガスってしまいましたが、毛無岱の紅葉は非常にきれいで楽しむことができました。
八甲田大岳は危険箇所はほぼ無く、(晴れていれば)展望の良い登山ができる良い山だと思いました。
一方で、八甲田山も例に漏れず、活火山、かつ、熊も多く生息する山域なので、十分な配慮・準備は必要だと思います。
次回は天候の良い日にリベンジしたいと思うと共に、ロープウェイ側から登るのも面白そうだと思いました。特に井戸岳が気になりました。
また、今回は酸ヶ湯温泉に入ることができなかったので、次回こそは♨